野生の犬について (2)
犬のトレーナー権ブリーダーで有名な博士が、長年に渡って多くのヤラー・ドッグを捕獲して飼育してきました。
この博士は、野生生物学者としても犬の行動学にも精通しています。
野生犬には外見に特徴があります。
まず耳です。耳が「ピン」と立っていて鼻が長く尖がっています。
尻尾も太く釣り針のような形をしています。体毛は薄茶色でこうした野生犬は、森で生息するのに適しているといえるのだそうです。
また、博士は外見だけでなく、行動や生活パターンも独特だと指摘しています。
雌犬は秋になると、前足を使わないで鼻だけを使って穴を掘ります。何故鼻だけを使うかは分かっていませんが、多分土の中の幼虫か土のミネラルを補給しながら掘っているのかもしれません。
この行動は、オオカミやキツネなどには見られないそうです。
最も注目すべきは、野生犬は群れをつくって生活している点です。その群れにはオオカミと同じように秩序があることが分かっています。獲物を発見すると、まず尻尾を立てて左右に振り仲間に合図を送ります。
そして集団で狩りを行うのですが、まずリーダーが先に食べます。
博士は長年の野生犬の研究から新しい説を思いつきました。
それはこの犬達がただの野生犬でない、ということです。
「ディンゴに似ている・・・。」と、突然閃いたそうです。
博士は、カロライナ・ドッグが生息地が離れているだけでオーストラリアの野犬ディンゴと血縁があるのではないだろうか、という考えなのです。ディンゴが原始的な犬と血縁関係・・・。
証明できませんが、ディンゴが原始犬の子孫ではないかと。
犬の祖先は約1万4千年前に、中東かアジアで生まれたと考えられます。
発祥地はどこにせよ、やがて人間に従い移動を始めました。
あるものは南太平洋の島々をめぐり、またあるものは北上しベーリング陸橋からアメリカ大陸へと渡りました。
そんな原始犬の子孫が地球のどこかで生き続けているとは考えられないでしょうか。
他の地域の野生犬を調べれば犬の起源がもっとハッキリするかもしれません。
博士はこの野生犬をカロライナ・ドッグと命名し、アメリカのケンネルクラブから新しい犬種の認定を受けました。
- 野生の犬について ページ番号 -
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
|